空気力学研究センター

空気力学研究センターは汎用低速風洞と可視化実験用の煙風洞を有する。低速風洞は,乱流境界層や伴流といった流体力学の基礎研究,模型を用いた航空機や車両の空力的特性,建築構造物に働く風力,そして擬似自然風の中に置かれた建築構造物模型の環境風に関する問題等,航空機およびそれ以外の広範囲にわたる空気力学の研究を行うために1975年5月に設置された。測定部の断面積は2m x 2m である。風速は自動制御により実験の間一定に保つことができる。乱れの強さは風速50m/sで0.1%以下であり,この低い乱流レベルにより,遷移現象の研究にも利用できる。施設は,学内の教職員の研究ならびに卒業研究,大学院研究にも利用され,学外からの委託研究にも使用されている。また,煙風洞での見学を実施することで,流体力学とその関連分野に興味をいだかせることに成功している。

風洞実験部玄関

風洞実験部玄関

制御室

制御室

YS-11型の空力実験(固定翼)

YS-11型の空力実験(固定翼)

固定壁測定部

固定壁測定部

汎用低速風洞

本風洞は1971年に故木村秀政日本大学名誉教授を中心とした風洞計画委員会によって計画・設計が行われ,1975年5月に完成した。構造は水平閉鎖回流型で,。研究目的により固定壁,半固定壁および自由壁の3種類の測定部が利用できる。半固定壁は,壁との干渉を減らすために隙間壁が使用されており,大きな模型の実験に適している。風速は自動制御により,実験の間一定に保つことができる。乱れの

風洞設備要目

形式 水平式閉鎖回流型
測定部長さ 断面 2m x 2m
5.3m(固定壁),6.2m(半固定壁)
3.5m(自由壁)
縮流比 9:1
風速範囲 2.5〜50m/s
電動機 最大出力 250kW
日本大学会館の環境風に関する研究

日本大学会館の環境風に関する研究

レーシングカー模型の風洞実験

レーシングカー模型の風洞実験

角柱周りの流れの可視化

角柱周りの流れの可視化

研究課題の紹介,実験の成果等

汎用低速風洞は,模型に働く空気力を測定するための支柱式6分力天秤,吊線式3分力天秤及び力の測定用の多用途ロードセルユニット(これは一時的に吊線式天秤等の3分力天秤のセンサーとして使用可能)を備えている。天秤に架装された模型の姿勢は遠隔操作でき,それらの空気力を測定できる。圧力の測定には多点切換式圧力計測装置(47ch)が4台同時に稼動できる。測定部内には受感プローブ(例えばピトー静圧管,熱線風速計など)を移動するための3次元トラバース装置があり,データ処理と制御用のパーソナルコンピューターにより実験は制御室内の遠隔操作系のもとで行われる。さらに,平成13年には煙風洞のLANの整備を行い,汎用低速風洞−煙風洞間でのデータのオンライン処理が可能となった。風洞開設以来平成13年度末までに432件の風洞実験が行われた。以下に主なテーマを示す。

飛行艇体の抵抗測定
各種翼及び基本的模型の空力特性
2次元翼における地面効果特性
楕円翼に関する研究
人力飛行機のフェアリングにおける給排気口の最適化
ダリウス型風車周りの流れの観察
南極昭和基地主要建物周辺の風速分布
日本大学会館の環境風に関する研究
平板に沿う乱流境界層に関する研究
レーシングカー模型周りの流れの研究
送電線の空力特性
防雪柵に関する研究

詳細
風洞実験部  http://www.wtl.rist.cst.nihon-u.ac.jp

問い合わせ先

船橋校舎
TEL:047-469-5361 (風洞実験部)