Japanese/english


Topics :  次世代革新的内燃機関実現のためのエンジン燃焼研究 (2015年8月10日)

機械工学科の飯島晃良 助教は,エンジンの飛躍的な熱効率向上と排気クリーン化を実現するための次世代燃焼技術について研究をしています.自動車の動力源は,今後当面はエンジン(内燃機関)を搭載した車両が主であることに加え,世界全体での自動車保有台数が増加すると見込まれているため,むしろ今後も内燃機関搭載車両の総数は増えていくと予想されています.そのため,運輸部門からの温室効果ガス排出の多くを占める自動車用内燃機関の徹底的な燃費低減と低炭素化が求められています.

そこで,飯島助教は,ガソリンエンジンの熱効率向上を阻害する主要因である異常燃焼や,次世代高効率クリーンエンジンの燃焼方式として注目されている,予混合圧縮着火(HCCI)燃焼などの研究を行っています.HCCIとは,ガソリンエンジンのように燃料と空気の混合気を吸入しますが,点火プラグを使わずに,自着火(自然発火)で燃焼を行う燃焼方式です.右の図は,ガソリンエンジンの燃焼とHCCI燃焼の火炎写真です.

【図1】

これまで,飯島助教は文科省科研費による研究「高圧・超希薄予混合気の自着火燃焼機構研究」(2012〜2013年度若手研究(B))や,自動車メーカーとのHCCI及び異常燃焼(ノッキング)の共同研究(2011年度〜2014年度にかけて2社の自動車メーカーと実施)を始め,多くの先進的な燃焼研究を行ってきました.

そして,現在は,内閣府−科学技術振興機構(JST)による「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP),革新的燃焼技術」の研究プロジェクトに,本学部航空宇宙工学科田辺光昭教授とともに参画し,ガソリンエンジンの飛躍的な高効率化を実現するための研究を進めています.

さらに,平成27年度からは,「理工学部先導研究推進助成金」の助成を受けて『プラズマ応用による内燃機関の革新的効率化に関する研究』を推進しています。この研究は,上記のHCCI燃焼などの高効率な燃焼技術の実現のために,プラズマ技術を応用するもので,プラズマによる燃焼制御とプラズマによる機械摩擦低減のシナジー効果によって,革新的内燃機関コンセプトの提案を目指すものです.航空宇宙工学科田辺教授,物理学科浅井朋彦准教授,電子工学科芦澤好人助教,物理学科関口純一助手との研究チームにより,内燃機関の新たな展開を切り拓くことが期待されます.

飯島助教らの研究は,工作技術センターなどの理工学研究所の研究施設を有効に活用して開発した,独創的な研究装置と独創的な計測手法を組み合わせた実験と,必要に応じて化学反応数値解析等を有効に適応する事等によって得られる未知現象の解明力に強みを持っています.例えば,燃焼室内の全域が可視化されつつ,実機さながらの連続した燃焼運転ができる可視化エンジン(左下図)等を用いて,エンジン燃焼の未知現象を見出し,その現象に対して筒内連続高速度分光分析(右下図)や化学反応数値解析等を用いてそのメカニズムを明らかにされつつあります.

【図2,3】

なお,飯島助教は,これまでに上記の一連の研究成果によって,学内外で以下の賞を受賞するなど,大きな成果を挙げています.

【学内受賞】
  • 平成26年度理工学部学術賞:「光学計測及び反応数値解析による予混合圧縮着火(HCCI)燃焼メカニズムの研究」
  • 平成27年度日本大学学部連携ポスターセッション優秀ポスター賞:「低炭素エネルギー変換を実現するための革新的エンジン・燃料技術の研究開発」(理工学部研究所Facebookページ
【学外受賞】
  • 2015年度春季大会優秀講演発表賞(受賞決定):「過給とEGRを用いたガソリンHCCI機関の研究(第1報)」,自動車技術会
  • 2013 Small Engine Technology Conference, High Quality Papers Award:「Visualization and Spectroscopic Measurement of Knocking Combustion Accompanied by Cylinder Pressure Oscillations in an HCCI Engine」, SAE International / JSAE(SETCでは,2013年以外にも,2012, 2011, 2010, 2009, 2006, 2004年度にも同賞を受賞しています)
  • 日本機械学会エンジンシステム部門ベストプレゼンテーション賞(2012年度):「筒内可視化と紫外吸収分光法による予混合圧縮着火燃焼の研究」,日本機械学会エンジンシステム部門
  • 平成24年度日本エネルギー学会奨励賞:FT-IRガス分析及び反応数値計算を用いたDMEのHCCI燃焼メカニズム解析, 飯島晃良,日本エネルギー学会
  • 2008年度日本機械学会奨励賞:「分光計測による予混合圧縮着火機関の着火及び燃焼メカニズムの研究」,日本機械学会
  • 第58回(2008年)自動車技術会賞浅原賞学術奨励賞:「発光・吸収計測による予混合圧縮着火燃焼の研究」,自動車技術会

この他,飯島助教の最新の研究成果は,飯島研究室のホームページなどでご覧いただけます.

 

日本大学
日本大学理工学部理工学研究所
〒101-8308 東京都千代田区神田駿河台1-8-14
TEL: 03-3259-0929(研究事務課)

e-mail: skenkyu@adm.cst.nihon-u.ac.jp