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東日本大震災復興支援研究プロジェクト(2011年度〜2013年度)
2011年(平成23年)3月11日(金)14:46に発生した東北地方太平洋沖地震は東北地方から関東地方の広い範囲に阪神淡路大震災を凌ぐ未曽有の激甚災害をもたらしました.今回の地震では,東北地方から関東地方の広い範囲で,大きな地震動の揺れと津波によって幾つかのまちが一瞬のうちに壊滅し2万人を超える多くの人々が犠牲になりました.震源から比較的離れた首都圏においても継続時間の長い長周期地震動による天井の落下や家具などの転倒被害,地盤の液状化による電気・ガス・上下水道などインフラの被害や建物の傾斜,交通手段の停滞による多数の帰宅困難者,正確な情報が伝わらないことによる避難の遅延、風評被害など市民生活を脅かす様々な問題点が浮き彫りになりました.

そこで,日本大学理工学部では総力をあげて東日本大震災の復興支援を行うために,復興支援研究プロジェクトを立ち上げました.このプロジェクトは,以上のような多くの災害事象を詳細に調査することで,災害復興や災害に強いまちづくり,地震防災体制の提言や減災技術の開発など,理工学部の研究基盤を基礎として技術支援に取り組む多年度継続型の復興支援であり,理工学部シンボリック・プロジェクトと連携するとともに,公的研究機関,現地のNPO,校友会とも連携し,活動を行ってきました.

また,理工学部船橋校舎の環境・防災都市共同研究センター内に東日本大震災復興支援室を置き研究拠点として情報の一元化を図るとともに,各自治体,民間など被災地からの技術支援相談を行ってきました.

このプロジェクトでは,下の表に示すような6つのカテゴリについて研究してきました.

No.カテゴリー/テーマ研究代表者
@復興まちづくり
「複合的防御を意識した復興まちづくりのあり方に関する研究:石巻市を対象として」

岸井隆幸(土木工学科)
A構造物被害と地盤災害
「地震動と構造物被害」,「地盤災害」,「構造物被害に付随する諸問題」

古橋 剛(建築学科,防災センター管理責任者)
B津波対策
「沿岸建築物の津波対策に関する研究」

増田光一(海洋建築工学科)
C交通システム
「災害に強い交通管理・運用システムに関する研究」

藤井敬宏(交通システム工学科)
D情報通信システム
「災害時情報提供の為のセンシングおよび情報システムに関する研究」

泉 隆(応用情報工学科)
E原子力被害・エネルギー供給システム
「原子力防災の歴史的観点から見た原子力発電所事故と今後の課題に関する研究」
「理工学部船橋校舎における福島第一原発事故に伴う放射線量の変化の継続的測定に関する研究」

仲 滋文(物理学科)
鈴木勝行(補佐)(電気工学科)

プロジェクト自体は2013年度(平成25年度)に終了しましたが,復興支援活動は今も続けています.震災から2014年度(平成26年度)に至る流れを以下に簡単にまとめます.


2011年3月〜5月:初動調査
本プロジェクトを組織する以前に,理工学部教員が多くの初動調査を行っていました.以下にこれらのいくつかを紹介します.調査内容のところをクリックすると,当時の調査速報のpdfファイルをご覧いただけます.

日付調査内容調査者
2011.03.11千葉市美浜区の被害調査山田雅一(建築学科)
2011.03.19市川市・船橋市・習志野市の被害調査山田雅一(建築学科)
2011.03.19東京都千代田区の建物被害調査報告田嶋和樹(建築学科)
2011.03.20浦安市の被害調査山田雅一(建築学科)
2011.03.20千葉市美浜区臨海部の液状化被害調査速報小林昭男(海洋建築工学科)
2011.03.23千葉県東部沿岸域の津波調査小林昭男,中西三和(海洋建築工学科),山田雅一(建築学科)
2011.03.28栃木県真岡市,芳賀郡茂木町,茨城県水戸市の被害調査山田雅一(建築学科)
2011.03.29茨城県沿岸部の津波被害調査速報小林昭男,中西三和,居駒知樹(海洋建築工学科)
2011.03.29茨城県各地の建物被害調査速報田嶋和樹(建築学科)
2011.03.30千葉県我孫子市,香取郡,香取市の被害調査山田雅一(建築学科)
2011.04.09宮城県東松島市・石巻市・女川町の津波被害調査速報海洋建築工学科教室
2011.05.13宮城県名取市,岩沼市,亘町,福島県相馬市,いわき市の津波被害調査速報中西三和,佐藤信治,他(海洋建築工学科)
2011.05.13岩手県三陸海岸の津波被害調査速報小林昭男,畔柳昭雄,増田光一,居駒知樹,坪井塑太郎,他(海洋建築工学科)


2011年6月2日(木):「東日本大震災復興支援研究プロジェクト」キックオフ
駿河台校舎1号館121室にて,第6回理工学研究所講演会として,プロジェクトのキックオフシンポジウムを開催し,国土交通省東北地方整備局の宮本卓次郎氏に現況報告をしていただき,理工学部教員によるプロジェクトの初動調査報告を行いました.詳細は理工学研究所講演会のページをご覧ください.
2011年6月,8月:東日本大震災からの復旧・復興に向けての下記緊急特集
海洋建築工学科の季刊誌「海建 」のNo.88,No.89に東日本大震災からの復旧・復興に向けての緊急特集が組まれました.
2011年10月〜11月:船橋キャンパス公開市民大学講座での成果発表
理工学部では学外の一般の方々向けに公開市民大学講座を開催しています.その一環として,『「東日本大震災からの復興と安全な暮らしへ」〜理工学部復興支援研究プロジェクト〜』と題して,本プロジェクトの成果の一部を紹介いたしました.タイトルや講師は以下の通りです.
2011年10月15日(土)「東日本大震災と大津波」居駒知樹(海洋建築工学科准教授)
2011年10月22日(土)「砂地盤の液状化現象」安達俊夫(建築学科教授)
2011年11月5日(土)「都市の水辺における「快適」と「リスク」」坪井塑太郎(海洋建築工学科助教)

2011年11月26日(土):「東日本大震災復興支援研究プロジェクト」成果報告会
プロジェクトの研究成果報告会を,第7回日本大学理工学部理工学研究所講演会として,駿河台校舎1号館121室にて,理工学部学術講演会と同時開催いたしました.

内容は,日本大学総合科学研究所の工藤一嘉教授による招待講演「2011年東北地方太平洋沖地震の震源像と強震動」,塩竃市の佐藤昭 市長による招待講演「塩竈市の復興まちづくり〜東日本大震災から復興への道筋〜」と,9件の研究成果報告でした.詳細は理工学研究所講演会のページをご覧ください.


2012年11月28日(土):「東日本大震災復興支援研究プロジェクト」成果報告会
プロジェクトの研究成果報告会を,第8回日本大学理工学部理工学研究所講演会として,駿河台校舎1号館121室にて,理工学部学術講演会と同時開催いたしました.

報告会では,プロジェクトを構成する6つのテーマから計12件の研究成果報告がありました.詳細は理工学研究所講演会のページをご覧ください.


2014年9月27日(土):「東日本大震災の復興支援と今後の課題」
プロジェクトの研究成果報告会を,第10回日本大学理工学部理工学研究所講演会として,駿河台校舎1号館121室にて開催いたしました.

本シンポジウムは本学の東日本大震災復興支援室が主催し,名古屋大学減災連携研究センターの武村雅之教授による招待講演「科学技術と地震防災:関東大震災が語る教訓」,東北学院大学教養学部地域構想学科の平吹喜彦教授による招待講演「海外エコトーンモニタリングが示す自然共存復興へのアプローチ」を含む4つの講演と,パネルディスカッションを行いました.パネルディスカッションでは講演者らをパネラーに迎え,今後の復興支援に必要な取り組みやそれらの課題について,学内外からの聴講者も交えた活発な意見交換が行われました.詳細は理工学研究所講演会のページをご覧ください.

 

日本大学
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